現在,自動車の車体パネルや電気製品のケース等の金属製品の多くは
金型を用いたプレス加工で製造されています.
しかし金型は大量生産には向いていますが,試作品や多品種少量生産にはコスト,時間的に不向きです.
そのため,試作品や少量生産品は,多くの場合,熟練作業者による手作業に頼っています.
金型の例 手作業での鍛金加工
そこで本研究では,熟練工に頼っている手作業でのプレス加工をCADデータに基づいて 自動化を行うことを目的としています.
本研究では,鍛金と呼ばれるハンマを用いて,たたき出しながら目的の形に成形する方法を採用しました.
鍛金方式は,他のプレス加工にくらべ,小規模な装置で構成でき,フレキシブルな加工が可能です.
加工の様子
加工を行う工作物の形状をCADを用いて定義し,鍛金加工用に開発したCAMシステムにより,
ハンマを動かす順序である加工対象部分の工具経路を生成します.
工具経路はNCプログラムに変換し,加工を行います.
加工機には3軸の立型マシニングセンタを用い,主軸には切削工具の代わりにハンマの動作を行う
サーボハンマリングユニットを開発し適用しました.
本加工法では,特定の金型を用いずに様々な形状の成形を行うことができます.
また,プレス加工だけでなく切削加工も含めた複合加工が可能です.
複合加工の例(レモン絞りを模した形状)